模倣品注意

海外で増加するナットウキナーゼの模倣品

海外で増加するナットウキナーゼの模倣品

当協会では、国内約30社に加え、中国・台湾など海外でも約20社の会員企業を抱えており、その数は年々増加傾向にあります。一方、ナットウキナーゼが海外で注目を集めるにつれ、安全性が確認されていなかったり、ナットウキナーゼ活性が基準を満たさない低価格な模倣品が多数出回り、市場を混乱させています。

こういった模倣品の中には、ナットウキナーゼ活性を示すFU(下記参照)表示を実際の商品のFU値より大きくしている商品や、「ナットウキナーゼ含有」と表示しながらもナットウキナーゼを全く含まず、安全性が確認されていない別の酵素を配合している悪質な商品も存在しています。

ナットウキナーゼは血栓のみを特異的に分解する安全性の確認されたタンパク質分解酵素ですが、その他のものでは、人体にとって必要なタンパク質も分解してしまう恐れがあります。当協会では、JNKAマーク取得商品や会員企業を通して購入した商品をお召し上がりいただくことをお勧めしています。

ナットウキナーゼ判別法-フィブリン分解法-

ナットウキナーゼ判別法-フィブリン分解法-

では、ナットウキナーゼなのか、そうでないのかをどう判断しているのでしょうか?

第一段階は、FU値からナットウキナーゼ判別を行うという手法です。FUとはフィブリン分解ユニットの略で、当協会では1日の必要摂取量の目安を2000FUとしています。

ナットウキナーゼ活性を測定する方法は様々ですが、当協会では、FU値が測定できるフィブリン分解法を推奨しております。この手法は、再現性があり、且つ数値化できる点でとても優れており、 但し、別の酵素の活性も測定できてしまうため、ナットウキナーゼのみの活性を正確に測定することができない短所もあります。

ナットウキナーゼ判別法-IBox試験法-

フィブリン分解法で判別できなかった酵素は、ナットウキナーゼ簡易判別法(IBox法)という手法を用いて、さらに分析を行います。

IBox法とは、30個のアミノ酸から成る酸化インスリンB鎖を検体の酵素で分解し、その分解様式をHPLCで確認する方法です。使用している酵素によって、分解様式が異なるので、ナットウキナーゼあるいは他の酵素が混入していないか一目で判別できます。

精製ナットウキナーゼ、JNKA審査済証票商品およびナットウキナーゼを標榜する偽ナットウキナーゼ商品の酸化インスリンB鎖分解様式を図9に示します。比較すると、偽ナットウキナーゼ商品の分解様式がナットウキナーゼの分解様式と異なっています。そのためナットウキナーゼでないことがわかります。

図9・酸化インスリンB鎖 分解様式比較

ナットウキナーゼ判別法-ELISA試験法-

最近では、この二方法に加え、神戸薬科大学太田教授の協力のもと、抗原抗体反応を活かしたELISA法を推奨しています。

ELISA法の最大の特徴は、ナットウキナーゼを定量化できるところにあります。『鍵と鍵穴の関係』と言われるように、一つの抗原には一つの抗体しか反応しません。その抗原抗体反応の特性を活かし、ウサギから取り出したナットウキナーゼ抗体を使って、抗原抗体反応を起こした複合体の量を測定することで、ナットウキナーゼを定量的に分析することができます。

血栓予防月間 日本ナットウキナーゼ協会

このELISA法を用いて、日本製のナットウキナーゼ原料と台湾製、アメリカ製原料を比較した結果、日本製原料はFU活性に即したナットウキナーゼが検出されている一方、アメリカ製、台湾製原料は、全くナットウキナーゼが含まれていないことが一目瞭然で分かります。